任意後見制度


任意後見契約の依頼者

任意後見制度は、本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。

 

そうすることで、本人の判断能力が低下した後に、任意後見人が、任意後見契約で決めた事務について、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって、本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。 

任意後見制度の流れ

1. 任意後見契約書作成準備

(将来判断能力が衰えたときに「誰に」「どのようなことを支援してもらうのか」について決める)

    ↓

2. 任意後見契約

(公証役場で公正証書として契約します。)

    ↓

3. 任意後見人の登記

(任意後見契約で決めた内容等が登記されます。)

    ↓

4. 本人の判断能力の低下

    ↓

5. 家庭裁判所へ任意後見監督人選任の申立

(通常は任意後見受任者が申立を行います。)

    ↓

6. 審判

(家庭裁判所の判断で任意後見監督人が選ばれます。候補者を探す必要はありません。)

    ↓

7. 後見開始

任意後見制度をサポートする契約

見守り契約

見守り契約

任意後見契約は、本人の判断能力が衰えてから発効します。発効するまでの間をサポートするのが『見守り契約』です。

任意後見契約が発効するまでの間、本人と任意後見受任者が定期的に連絡をとったり実際に面談をしたりして、任意後見受任者が本人の健康や生活の状態に変化がないか「見守る」契約を一般に『見守り契約』といいます。『見守り契約』においては定期的な連絡・面談の方法・回数や報酬などを具体的に記載します。

 

このように定期的な連絡をとることで、契約をしてから数十年間本人と会わないといったようなことを防ぐことができ、信頼関係を継続させることができます。任意後見受任者が将来本人に代わって財産管理事務や任意後見事務を行なうときに備えて、お互いのコミュニケーションを深めて信頼関係を築き、本人がどういう生き方を望んでいるのか理解を深めていくとともに、受任者が任意後見契約を発効させる時期をより的確にとらえるようにすることがこの契約の目的です。

財産管理委任契約

本人の判断能力に衰えはないものの、高齢や病気などにより本人の心身の状態が不安になったとき、任意後見契約が発効するまでの間、日常的な金銭管理や万一の入院等の医療契約など、任意後見事務の一部を任意後見受任者に委任する『財産管理委任契約』を結びます。

 

財産管理等の代理権を任意後見受任者に与えるため、「任意代理契約」とも呼ばれます。本人の判断能力に衰えはないため、任意後見受任者に委任する事務は任意後見契約で定めた事務の一部(生活、療養看護及び財産の管理に関する事務)に限られます。

 

任意後見契約は、実際に本人の判断能力が衰えてから効力を生じるので、本人の判断能力が正常な間は利用することができません。また身体的な障害だけでは任意後見受任者に任意後見事務を開始してもらえないというデメリットがあります。財産管理委任契約は、このように判断能力が衰える前から本人の財産管理等を任意後見受任者に支援してもらいたい場合に利用できる契約です。

死後事務委任契約

任意後見契約においては、本人が亡くなった後の財産管理の計算、相続人等への財産引渡しの事務などは死後事務として任意後見人が行いますが、葬儀、埋葬、官庁への諸届け等の諸各種手続は任意後見契約の代理権目録には記載することができず、任意後見人の事務の範囲外になります。


これらの事務を任意後見人等にやってもらいたいときは、任意後見契約とは別に『 死後事務委任契約 』を締結することになります。
死後事務委任契約においては、任意後見人等にやってもらう死後事務の範囲と報酬等について取り決めをします。

公正証書遺言

任意後見契約を締結したものの、判断能力が低下せずに亡くなるということは多くあります。また、任意後見契約が発効した後に亡くなった場合でも、自らの希望を書面に残しておかなければ、意思に沿った相続手続きはできません。そのような場合には、『公正証書遺言』を作成しておきます。遺言執行者を任意後見受任者に選んでおけば、死後も自らの希望通りの相続手続きをしてもらえます。


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