相続税の申告書は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、(相続税の納付税額がある場合)相続税の申告書を税務署に提出するとともに、同期間内までに相続税を納めなければなりません。例えば、1月1日に死亡した場合にはその年の11月1日が申告期限になります。なお、この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります。
税務署の管轄は、被相続人の死亡の時における住所地を管轄する税務署です。
納税は税務署だけでなく金融機関や郵便局の窓口でもできます。期限までに納めなかったときは利息にあたる延滞税がかかりますので注意してください。相続税も金銭で一度に納めるのが原則ですが、特別な納税方法として延納と物納制度があります。
延納とは、このように現金一括で相続税を支払うことが難しい人が、相続税を分割して払う方法です。延納できる期間は原則として5年以内です。しかし、相続財産の中で不動産等(不動産や立木、その他一定の同族会社の株式等)の占める割合が大きい場合は、最高20年まで認められます。
延納を認めてもらうためには、担保の提供など一定の条件が必要なうえ、利子税(延滞税よりは安い)がかかります。
物納とは、延納でも相続税を払うことができない場合に、相続財産である不動産などの「モノ」で納期限までに納める方法です。物納ができる財産は相続財産で日本国内にあることが必要です。さらに、物納にあてることのできる財産には優先順位がついています。
第1順位は国債・地方債・不動産・船舶・特定登録美術品、第2順位は社債・株式・証券投資信託などの受益証券、第3順位は商品などの動産、といった順番で納付することが定められています。
相続税の総額および各相続人の相続税額は、つぎの順序に従って計算します。
課税価格 = 相続財産の価額+みなし相続財産-非課税財産-債務と葬式費用+相続開始前3年以内の贈与財産
法定相続人が、民法に定める法定相続分にしたがって財産を取得したと仮定して、各相続人の「取得金額」を計算します。
次に、その「取得金額」に「相続税の速算表」を使用して、「各相続人ごとの仮定の相続税額」を算出します。それを合計して「相続税の総額」を求めます。そして、実際に財産をもらった人の課税価格に応じて割り振って、各相続人ごとに負担する税額を計算することになります。
配偶者や未成年など税額控除・加算がある場合は、調整して「納付税額」を求めます。